骨粗鬆症

骨量が減少しやすい薬剤

ある種の薬剤を長期に使用すると、骨粗鬆症を誘発することが知られている。そのような薬剤の主なものは、
1)グルココルチコイド(GC)
2)メトトレキサート(MTX)
3)免疫抑制剤(シクロスポリン)
4)抗血液凝固剤(ヘパリン)
5)抗痙攣剤
等が挙げられ、特にGCが頻度、重篤の点から重要である。GCはじめこれらの薬を必要とする疾患のある方で、骨粗鬆症が気になる方は担当の医師にご相談ください。

1. グルココルチコイド(GC)

GCが骨量減少を起こす機序としては、第1にGCが直接的に骨芽細胞に作用し、骨形成を抑え、第2に腸管に直接作用し、腸管からのカルシウム(Ca)吸収を抑制し、第3に腎尿細管から再吸収を抑制し、尿中へはCa排泄を促進する。その結果、体内Caが欠乏する。第4に破骨細胞が活性化して、骨吸収を促進する等の機序により、骨量減少を起こすと考えられており、その骨量減少の程度はGCの1日平均使用量と投与期間に関連し、累積投与量も長期的な骨量減少に影響を与えると考えられている。臨床的には、プレドニゾロンとして7.5mg/日相当以上であれば、骨量の有意な減少が認められ、その結果、骨折の危険性が増す。

2. メトトレキサート(MTX)

メトトレキサートは関節リウマチや白血病に対して投与される薬剤であるが、骨芽細胞に関連する蛋白の合成を抑制し、骨量減少を引きおこすと考えられている。

3. 免疫抑制剤(シクロスポリン)

免疫抑制剤(シクロスポリン)は、各種サイトカインの合成を障害して骨形成を抑制することにより、骨量減少を引きおこすと考えられている。


4. 抗血液凝固剤(ヘパリン)

抗血液凝固剤(ヘパリン)は、通常量の使用で問題となることはほとんどないが、例えば、血栓症を繰り返す妊婦のような特殊な場合に対して、15000単位以上の高用量を3ヶ月以上使用した場合にのみ骨量の減少が認められていると報告されている。

5. 抗痙攣剤

抗痙攣剤の投与では、高容量、同種薬剤の併用、長期投与、ビタミンDの低摂取、慢性疾患の罹患の存在、リファンピシンのように肝臓の酵素に対し競合する薬剤の投与等の条件により、骨量減少の危険性が高まるという。抗痙攣剤が、骨量減少を起こす機序としては、肝臓の酵素に影響を与え、ステロイドの分解や活性型ビタミンDの産生を抑制し、そのため腸管からのカルシウムの吸収を抑制し、その結果、二次性の副甲状腺機能亢進症や骨の石灰化障害を引き起こし、骨量減少を生じさせる等が考えられ、骨病変の改善には活性型ビタミンD3の投与が有効であることが多い。


(監修 / 和田誠基先生:武蔵藤沢セントラルクリニック 院長)

 

後援:日本骨粗鬆症学会 (C)yutakanahone-suishin-iinkai