骨粗鬆症

内科医の治療方針・治療戦略

骨粗しょう症の予防と治療は基本的に、
食事や運動など患者さん自身による骨密度維持・向上
不足しているカルシウムやビタミン、性ホルモンを補う補充治療
本格的な薬物治療
の3段階に分けられ、病状と患者さんの環境に応じて使い分けます。内科を受診する患者さんの大半は検診での低骨量が主訴で、すでに骨粗しょう症の症状を呈していることは少なく、初診時から薬物投与を必要とする方は多くありません。したがって、まず骨と骨折の危険性を評価し、さらに年齢、他の合併症の有無や程度、身体能力、疾患克服のための積極性などを考慮しながら治療法を決めます。


骨粗しょう症の治療基準より判断し、骨量減少症の範囲にある場合でリスク因子がない場合にはカルシウム、ビタミンなどの摂取量を是正し運動処方等を行います。また日常生活指導での転倒危険因子を除去し、骨量の維持を図ります。ビタミンDは魚肉に多く含まれ、動物性の肉類には含まれませんので、鮭などの魚肉を多く取る工夫やカルシウムの積極的摂取が重要です。


実際に治療にあたりどの薬剤を選択するかは、合併症、患者さんの希望、骨・カルシウム代謝、年齢等を考慮して決定します。痛みがある場合は鎮痛剤などによる対処療法、あるいは痛みを抑える作用のあるカルシトニン注射をしますが、骨密度増加効果は期待できません。一般的に骨折抑制効果が証明された薬剤を選択するのが通例と考えます。すなわち各種ビスホスホネート製剤(毎日、週1回、月1回を含む)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、副甲状腺ホルモン、デノスマブ(破骨細胞分化誘導因子に対する抑制効果を持つ)、新しい活性型ビタミンD3製剤などです。それぞれの薬剤にはメリット、デメリットがあり、人生の中でどの時期に使うのかという判断も必要です。例えば、副甲状腺ホルモンは現時点で2年程度しか使用が認められていません。非常に骨折リスクが高い状況を考慮した上で使用し、他剤への移行を考えておかなければなりません。またその効果は骨量測定や骨代謝マーカー測定によって客観的に再評価することも必要です。


(監修 / 和田誠基先生:武蔵藤沢セントラルクリニック 院長)

後援:日本骨粗鬆症学会 (C)yutakanahone-suishin-iinkai