関節痛〜ひざ・肩〜

変形性ひざ関節症の保存療法:薬物療法

治療方法の図変形性ひざ関節症の治療方法には、大きく分けて保存療法手術療法の2つがあります。保存療法にはリハビリテーション装具療法物理療法、薬物療法があり、これらを組み合わせて行われます。手術療法は、保存療法で効果が得られない場合に選択されますが、この数は決して多くはありません。変形性ひざ関節症は、加齢による関節の変化が主因なので、関節の機能を維持しようとする患者さん自身の気持ちとがんばりがとても大切です。

薬物療法

変形性ひざ関節症に限らず現在病気の治療に使う薬は大変多くの種類と様々な使い方があります。薬物治療の原則は「必要最低限の薬を適切な使い方で」です。自分のひざの状態をよく理解し、医師とよく相談の上適切な内容を選択してください。

薬物療法の種類
用いられる薬の成分と使用上の注意
注射
・関節内注射
注射イラスト
ヒアルロン酸、ステロイド剤
▼ヒアルロン酸
軟骨の成分のひとつであるヒアルロン酸を人工的に作った製剤で、ひざの関節内に直接注入することにより、軟骨の修復を促して、ひざの動きを滑らかにします。穏やかな効き目で、定期的に注入できるのが利点です。
分子量190万のヒアルロン酸は生体内のヒアルロン酸に近く、粘性や弾性に優れているといわれています。

▼ステロイド剤
強い炎症を抑える目的で用いられることがあります。即効性がある反面、感染や、ステロイド関節症などを引き起こすことがあります。

【関節内注入後の注意!】
・ 入浴を控える。
・ 注射したところをもんだり、不潔な手で触ったりしない。
・ 急に激しい運動をしない。
関節内注入後は、感染を避けるためにその日の入浴は控えて、また注射した部位をもんだり、不潔な手で触ったりしないようにしましょう。痛みがなくなるとついつい、いつもより余計に歩いたりして、ひざに負担をかけて、また悪化させてしまいます。急に激しい運動をしないように気をつけましょう。
内服薬、坐薬
内服薬イラスト
非ステロイド系消炎鎮痛剤
いわゆる「痛み止め」といわれる薬のことで、正しくは関節炎などの炎症を治すことで痛みを和らげる作用を持っています。

内服薬は通常1日に3回含むものが多いですが、種類によって1日1回や2回のものもあります。また、坐薬はお尻から挿入するタイプのもので使い方が異なりますが、内服に比べて痛みを和らげる効果が強く胃腸への副作用が比較的少ないという特徴を持っています。

【注意!】
非ステロイド系消炎鎮痛剤には多くの種類がありますが、どの薬にも胃腸障害などの副作用があります。医師と相談の上適切なものを選択し、正しい方法で使ってください。
外用薬
・塗り薬
・貼り薬
外用薬イラスト
非ステロイド系消炎鎮痛剤など
塗り薬には、クリーム状、ゲル状のものなどがありますが、患者さんの皮膚の状態、使い心地によって処方されます。塗りこむことによるマッサージ効果も期待されます。貼り薬には、温熱タイプと寒冷タイプがあります。ひざに熱感や腫れがある場合には冷たいタイプが良いでしょう。また最近の外用薬は非ステロイド剤が含まれているものが主体となっています。

【注意!】 
塗り薬や貼り薬では、薬自体の刺激や塗り過ぎ貼り過ぎにより皮膚の湿疹やかぶれが生ずることがあります。医師や薬剤師から含まれている薬の成分や正しい使い方の説明を受けてください。


( 監修 / 大森 豪 先生:新潟医療福祉大学健康スポーツ学科 教授 )
後援:日本骨粗鬆症学会 (C)yutakanahone-suishin-iinkai